Nekopitta
選び方の基本公開 2026年8月24日10

夏に猫を留守番させるときの暑さ対策|エアコン・水・部屋で確認したいこと

真夏に仕事へ出かけるとき、家に残す猫のことが気になります。エアコンをつけて水を置いておけばよいのか、設定温度は何℃にすればよいのか。公的機関や動物病院が公表している情報をたどると、出かける前に確認するのは「猫が実際にいる場所の温度と湿度」「途中で切れない設定」「複数の水」「日差しと移動できる範囲」の4点に整理できます。特定の温度を安全の基準として示すことはしません。

夏の留守番で先に確認したいこと

確認する順番は、公的機関が挙げている項目からたどれます。環境省が2025年6月20日に公表したポスター「防ごう!ペットの熱中症」では、「室内であっても適切な温度・湿度管理をすること、加えてペットが自ら快適な場所に移動できるような環境を整えることが必要です」と案内されています。あわせて「十分な水を準備することも必要です」「直射日光のあたる環境は避け」とも書かれています。つまり、温度と湿度、移動できる環境、水、日差しの4点が出発点になります。

猫が過ごす場所の温度と湿度
リモコンの設定温度ではなく、猫が実際にいる場所で測った値を見ます。この2つが一致しない理由は次の節で扱います。
涼しい場所へ自分で移動できるか
環境省は「ペットが自ら快適な場所に移動できるような環境を整える」ことを挙げています。行ける範囲がドアで区切られていないかを見ます。
水が足りるか、1か所だけになっていないか
環境省は「十分な水を準備すること」を挙げています。倒れたり汚れたりしたときに残る分があるかを見ます。
強い直射日光が入る場所がないか
環境省は「直射日光のあたる環境は避け」と案内しています。出かける時間帯と、日が回ったあとで条件が変わります。

エアコンは設定温度ではなく、猫がいる場所の温度で見る

リモコンで設定温度を決めても、猫がいる場所がその温度になっているとは限りません。これは猫に固有の話ではなく、エアコンの仕組みとして説明されていることです。ダイキンの公式FAQ「冷えすぎる(ルームエアコン)」では、室温はエアコン本体の温度センサーで検知するため、センサーの位置によっては人がいる場所と違う温度を検知することがあると案内されています。ずれる要因として挙げられているものを並べます。

設定温度と実際の温度がずれる要因(ダイキン公式FAQ「冷えすぎる(ルームエアコン)」より)

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要因メーカーの説明出かける前に見ること
温度を測っている場所室温はエアコン本体の温度センサーで検知するため、センサーの位置によっては人がいる場所と違う温度を検知することがある猫がいる場所に温度計を置き、リモコンの数字と比べる
風向と風量「下向きの風向でお使いの場合や、就寝時などに弱い風量でお使いの場合には、空気の循環が足りずに、暖かい空気がお部屋の上部に滞留することがあります」猫の定位置が高い場所(棚やキャットタワーの上)か床付近かで条件が変わる
本体に当たる日差しセンサーの位置に日射が当たると、実際より高い温度を検知することがあるエアコン本体に日が当たる時間帯があるかを見る
部屋の広さと能力の関係部屋の広さに対して能力が大きいと、風量が過大になることがあるドアや間仕切りで、実際に冷える範囲がどこまでかを見る

温度の目安については、出典によって示す値が違います。ねこのきもちWEB MAGAZINE の記事(監修:重本仁先生/王子ペットクリニック院長、2023年7月6日)では「適したエアコンの設定温度は26〜28℃」とされています。みかん動物病院の記事(愛玩動物看護師 若月、公開日表記 2026年7月16日)では「犬や猫の快適な温度は25〜28℃」とされています。一方、環境省のポスターは「適切な温度・湿度管理」までで、具体的な数値は示していません。

留守番中にエアコンが切れる設定になっていないか

途中で止まる設定が残っていないかは、出かける前に見ておく項目です。ねこのきもちWEB MAGAZINE の記事(監修:重本仁先生/王子ペットクリニック院長)では、「猫だけで留守番をさせるとき、エアコンはタイマーではなく連続運転」にするよう案内されており、その理由として「日中は、エアコンが切れると室温が急に上昇することがあるため」と説明されています。

  • おやすみタイマー・切タイマーが前日から残っていないか
  • スマートリモコンやアプリのスケジュールに停止が入っていないか
  • 省エネ機能や自動停止が働く設定になっていないか
  • 電源タップのタイマーやブレーカーで電源が落ちる形になっていないか

水は1か所にまとめない

水については、複数の場所に置くという案内が複数の出典で一致しています。環境省は「十分な水を準備することも必要です」としています。みかん動物病院の記事では「いつでも清潔なお水が飲めるようにしておきましょう」として「複数の場所に用意しておくと安心です」と案内されています。ねこのきもちWEB MAGAZINE の記事でも「新鮮な水を複数箇所に用意」することが挙げられています。1か所だけの場合、それが倒れたり汚れたりした時点で水がなくなります。

  • いま何か所に置いていて、猫がどれを使っているか
  • 留守番の時間に対して、量が足りるか
  • 猫が跳び越えたり乗ったりする場所にないか
  • 電源を使う機器に頼り切っていないか

どこに何をいくつ置くかは、留守番の長さや猫の数で変わります。水飲み場の構成の決め方は留守番・多頭飼いの猫の水飲み場を考えるにまとめています。容量や電源の有無を掲載商品の公表仕様で比べています。

直射日光を避け、猫が移動できる範囲をつくる

環境省は「直射日光のあたる環境は避け、日陰のある風通しのよい場所を選択」と案内しています。みかん動物病院の記事では「カーテンを全開にする」ことが留守番時のNG行動として挙げられ、「直射日光を避けたりしながら、涼しく過ごせる場所を確保しておくことが大切です」と述べられています。窓の向きによって日が入る時間帯は変わるので、出かける時刻の状態だけで判断できません。

移動できる範囲については、ねこのきもちWEB MAGAZINE の記事に「猫が自分で快適な場所に移動できるよう、可能であれば部屋のドアを開けてストッパーで固定しておくとなおよいでしょう」という具体的な案内があります。環境省が挙げている「自ら快適な場所に移動できるような環境」を、家の中でどう作るかという話です。

  • 日中に強い日差しが入る窓はどこか。時間帯もあわせて見る
  • カーテンやブラインドで、その窓をふさげるか
  • 猫がよくいる場所が、その日差しの範囲に入っていないか
  • 涼しい場所(廊下、玄関、浴室前など)へ行けるか
  • ドアが風で閉まって、戻れなくなる形になっていないか

ケージで留守番させる場合に変わること

ケージやサークルの中で留守番させる場合、確認する内容が変わります。環境省が挙げている「自ら快適な場所に移動できるような環境」という考え方に照らすと、ケージの中では移動できる範囲がケージの寸法までに限られます。みかん動物病院の記事でも「狭い空間に閉じ込める」ことがNG行動として挙げられています。ケージを使う場合は、ケージそのものが置かれている条件を見ることになります。

  • ケージの位置に日差しが入る時間帯があるか
  • エアコンの風が直接当たり続けていないか、逆に届いていないか
  • ケージのある高さで温度と湿度を測ったか(床付近と天井付近で変わる)
  • 水がケージの中で倒れない形になっているか

ケージの中の水は、器を置くだけだと猫が動かしたときにこぼれることがあります。メーカーが取り付けについて何を書いているかで扱いが変わるので、その整理は猫の給水器をケージに固定したいにまとめています。掲載している給水器5点のうち、メーカーがケージ・サークルへの取り付けを案内しているのは2点でした。

留守中に止まったときの備えをどう考えるか

停電やエアコンの停止は、起きる前提で身構えるものではありません。ただ、備えとして考えられるのは「1つ止まっても残るものがあるか」という形にしておくことです。水を複数に分けておくのも、日差し対策を電源に頼らない形にしておくのも、同じ考え方の中に入ります。

  • 水のうち1つは電源を使わない形になっているか
  • カーテンなど、電源が要らない日差し対策をしてあるか
  • エアコンが止まったときに猫が行ける、日の当たらない場所があるか
  • 帰宅時間が遅れる可能性があるとき、頼める人がいるか

帰宅後に見ておきたい猫の様子

ここは健康に関わる部分なので、獣医師が監修している情報の記載をそのまま挙げます。茶屋ヶ坂動物病院の記事(監修:三原吉平 獣医師・院長、2026年7月6日)では、「普段は口を開けて呼吸しない猫が、ハアハアと息をしている場合は異変のサイン」と説明されています。猫が口を開けて呼吸していること自体が、普段と違う状態だという見方です。

  • 口を開けてハアハアと呼吸している
  • よだれが増えている
  • 耳や体が熱い
  • 落ち着きがない、または元気がなく食欲が落ちている
  • ぐったりして動けない、呼びかけへの反応が鈍い、ふらつく
  • 嘔吐や下痢、けいれん、意識がはっきりしない

出かける前のチェックリスト

ここまでの内容を、出かける直前に見返せる形にまとめます。項目はいずれも上で挙げた出典に対応しています。

  • エアコンが動いていて、風が出ていることを確認した
  • 途中で切れるタイマーやスケジュールが残っていないか確認した
  • 猫がいる場所に温度計を置き、リモコンの設定温度と比べた
  • 湿度も確認した
  • 水を複数か所に用意した
  • 1か所が倒れたり汚れたりしても、残る分があるか確認した
  • 強い日差しが入る窓をカーテンなどでふさいだ
  • 猫が涼しい場所へ移動できる範囲を確保した(ドアの開閉を含む)
  • ケージで留守番させる場合は、ケージの位置・ケージ内の温度・水の固定を確認した

留守番の条件から猫用品を整理したいとき

留守番の長さやケージを使うかどうかは、水や用品を選ぶときの条件にもなります。そうした条件をまとめて整理したい場合は、猫用品診断も使えます。「暮らし方や、お世話について教えてください。」という質問に「留守番が長い」「ケージ・サークルで使いたい」といった項目があります。

診断が暑さ対策の正解を決めるわけではありません。条件に合う候補と、その理由がメーカー公表情報なのか Nekopitta の判断なのかを分けて示すものです。この記事で扱った温度や日差しの条件は、商品の仕様では決まらない部分なので、診断の対象にも入っていません。

関連する選び方の軸

この記事で扱った条件です。Nekopitta 全体で使っている5つの軸に沿って示しています。

  • 生活環境留守番が長い
  • 生活環境ケージ・サークルで使いたい

読んだあとに

記事で整理した条件は、そのまま商品の絞り込みに使えます。猫の情報から候補を絞る猫用品診断も使えます。